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しもやけ

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しもやけとは

しもやけ(凍瘡、しもやけ症)は、寒冷な環境で長時間過ごすことによって、皮膚の血行が悪くなり、血液の循環が滞った結果として発生する皮膚の炎症反応です。特に冬季に寒い場所で手や足などの末端部分が冷えると、皮膚が赤く腫れ、かゆみや痛みを伴うことがあります。

しもやけは、主に寒さと温度差が引き起こす現象で、寒い場所から暖かい場所に急に移動した際に血管が急激に膨張し、その後、血液の循環が不十分になることで皮膚に炎症を引き起こします。しもやけは、特に足の指や手の指、耳など、血行が悪くなりやすい部位に現れやすいです。


治療

外用治療

しもやけの治療には、主に以下のような外用薬を使用します。

  • ステロイド外用薬:しもやけによる赤みや腫れを抑えるために、炎症を鎮める効果のあるステロイド外用薬を使用することがあります。これにより、皮膚の炎症やかゆみを軽減します。

  • トコフェロール・ビタミンA軟膏外用:血流の流れを良くし、角質を柔らかくする軟膏です。しもやけの部分に外用することで、血流を良くして症状を改善させます。
  • プロスタグランディン製剤外用:血行を促進することでしもやけの症状を改善させます。
  • 保湿剤:乾燥を防ぎ、しもやけを悪化させないようにするために、保湿剤を使って皮膚を乾燥から守ります。特に手や足の指などの乾燥が強い部分には、こまめに保湿を行うことが重要です。

これらの外用薬は、医師の指示に従って使用することが大切です。自己判断で過度に使用しないように注意しましょう。


内服治療

しもやけによる痛みや炎症がひどくなる前に、内服薬を使用することがあります。

  • トコフェロール(ビタミンE):血流を改善させるために使われます。外用もありますが、内服により、更に血流改善が見込まれます。
  • 抗炎症薬(非ステロイド系抗炎症薬、NSAIDs):痛みが強い場合には、痛みを和らげるために、非ステロイド系の抗炎症薬(例:イブプロフェンなど)が処方されることがあります。

  • 当帰四逆加呉茱萸生姜湯:手足の冷えが強い方に使われる漢方です。体を温める種類の生薬が入っており、冷えを改善します。


日常ケア

しもやけを予防するためには、日常的に次のことに注意することが大切です。

  • 温度管理:寒い場所に長時間いるのを避け、屋外に出るときには手袋や靴下を着用するなどして、身体を冷やさないようにします。特に寒冷地に住んでいる方は、気温差に注意して活動することが重要です。

  • 温かい環境への適応:寒い場所から暖かい場所に移動した際には、急激に体温が変化しないように、少しずつ温まるよう心掛けます。急激に温めることは血管に負担をかけ、しもやけを引き起こす原因となります。入浴時なども、急激に温めないように気をつけましょう。

  • 保湿と血行促進:乾燥を防ぎ、血行を促進するために、適切なスキンケアを行うことが大切です。特に寒い季節は皮膚が乾燥しやすいため、こまめに保湿クリームを塗ることが予防につながります。


医療機関を受診すべきケース

しもやけは、通常は数日から数週間で自然に回復しますが、以下のような場合には、医師の診察を受けることが必要です。

  • しもやけが広範囲に広がっている、または症状がひどくなってきている

  • しもやけが治らず、長期間続く場合

  • 皮膚が膿を伴って化膿している場合

  • 強い痛みや腫れが続く場合

これらの症状が見られる場合には、感染症などの合併症が生じることもありますので、早めに医師に相談しましょう。


予防

  • 温かい衣類を着用する:特に手や足が冷えやすいので、温かい靴下や手袋を着用することが重要です。

  • 急激な温度差を避ける:寒い場所から急に温かい場所に移動すると、血管が急激に膨張してしもやけを引き起こすことがあるため、ゆっくりと温めるようにします。

  • 温める時は血液の上流を温める:手足が冷える際、直接その部分を温めると急な寒暖差で症状が悪化してしまいます。手が冷える場合は脇の下や肘裏、足が冷える場合は膝裏や太ももの根元など、血流の上流に当たる部分を温めましょう。
  • 血行を良くする:冷えを感じたときは、軽く体を動かすことで血行を促進し、しもやけを予防します。

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