お悩み一覧

シミ・肝斑・くすみ 

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◆シミ・肝斑・くすみ ◆

 

クリニックを受診される患者様の中で、一番多い美容のお悩みは「シミ」ではないでしょうか。

今まで美容医療を受けたことがない方や美容皮膚科に行ったことがない方でも、勇気を出して受診しようと思うきっかけが「シミ」であり、「レーザー治療できれいになる」と思って来院されることが多々あります。

ただ、いわゆる「シミ」には様々な病態があり、その原因によってレーザー治療では良くならないものもあります。

ここでは、シミの種類や治療法について説明します。

 

シミとは、皮膚内で作られるメラニンが皮膚に沈着し、茶褐色~黒色にみえるものを指します。

シミの中には、「老人性色素斑」、「雀卵斑」、「肝斑」など様々な病態があり、他にも、実際にはシミではなくアザに分類される「ADM」、「太田母斑」、「扁平母斑」などもシミに見えることがあります。

それでは、それぞれのシミについてみていきましょう。

 

老人性色素斑(日光黒子)

これが、いわゆる「シミ」です。

紫外線や加齢が原因となり、中年以降の男女に出現します。

境界がしっかり追える類円形の茶褐色斑です。

 

治療法

メラニンの沈着によりできるため、Qスイッチレーザーやピコレーザー等、黒いものを破壊するレーザーで消すことができます。

当院では、Qスイッチヤグレーザーであるハリウッドスペクトラを導入しております。

(ハリウッドスペクトラに関して詳しくはこちら)

老人性色素斑にレーザーを行うと、一旦茶褐色のシミが濃くなり1ヶ月程度の時間をかけて色が薄くなっていきます。

老人性色素斑のある部位の皮膚の炎症が強い場合(赤みがあったり肝斑があったりする場合)には、炎症後色素沈着(PIH)がおきて、茶褐色のシミが濃くなった後のダウンタイムが長くなることがあります。

レーザー施行後は遮光をすることと、ダウンタイムを短くするために美白剤(ハイドロキノンコウジ酸など)の使用もお勧めです。

 

雀卵斑(じゃくらんはん)

いわゆる「そばかす」です。

幼少期から鼻から頬にかけての顔、首、腕などの露光部に、表面平滑な細かい褐色斑が多発します。思春期に最も目立ち、その後少しずつ薄くなっていくこともあります。

遺伝的要因と紫外線によってできるので、レーザー治療などで治療をしても、また紫外線に当たると再発してしまうこともあります。

 

治療法

Qスイッチやピコレーザーなどの黒いものに反応するレーザーが有効です。

当院ではハリウッドスペクトラを導入しております。

レーザーを行うと、一旦茶褐色のシミが濃くなり1ヶ月程度の時間をかけて色が薄くなっていきます。そばかすが多い方だとダウンタイムの際に色濃くなり目立つことが多いので、ダウンタイムがしっかりとれるタイミングでの施行がお勧めです。

レーザー後は再発をしづらくするために、しっかりと遮光をしていただくことが重要です。

 

肝斑(かんぱん)

肝斑は、レーザー治療ができる老人性色素斑、雀卵斑とは異なる病態でできるシミです。

両頬部や額、口周りなどに左右対称にできる境界不明瞭な茶褐色斑で、いわゆる「くすみ」として捉えられることもあります。目の周りにはできないのが特徴です。

30歳以降の女性に好発し、男性ではまれです。

性ホルモンや副腎皮質ホルモンの分泌変化、紫外線や洗顔の際のこすれる物理的刺激などによりメラノサイトが活性化し、メラニンが増え茶褐色のくすみができます。

つまり、炎症が起こると悪化する茶ぐすみが肝斑なわけです。

そのため、肝斑にシミやソバカスでは効果的であったQスイッチレーザーやピコレーザーの治療をしてしまうと、熱が加わることで炎症が強く起きてしまい、症状が悪化してしまいます。

 

治療法

先述のように、シミ取りレーザーはNG。

炎症をおさえるためにトラネキサム酸の内服や外用、茶ぐすみを軽減させるためにビタミンCサプリの内服をします。

また、スキンケアも治療の一つです。

物理的な刺激を避けるために洗顔方法を改善することと、肝斑に効果的なドクターズコスメを使用することで効果が見込めます。

スキンケアではなく機械を使った治療をご希望の場合、ハリウッドスペクトラを用いたレーザートーニング(従来のシミ取りレーザーとは異なり、弱い出力で肝斑部位も含めて頬もしくは顔全体にレーザーをうつ方法)やポテンツァを用いた肝斑治療が可能です。

レーザートーニングは弱い出力で行うため1回では効果がわからないことが多いので、約2~3週間おきに繰り返し、10回程度継続していくことで徐々に肝斑が改善していきます。

 

ADM(後天性真皮メラノサイトーシス)

名前の通り、子供の頃にはなかったシミが成人になる頃から生じてくる後天性のアザです。

シミよりも深い場所(真皮)にメラニンが沈着しているため、灰色や褐色にくすんで見えます。

両頬部や左右のおでこ、下まぶたなどに米粒から小さな小豆ぐらいの大きさのアザが多発します。

成人期になって真皮のメラノサイトが活性化することでアザができます。紫外線や女性ホルモンなどの影響が推測されていますが、正確な原因はわかっていません。

 

治療法

病変が深いため、光治療やレーザートーニング、美白剤などは無効で、Qスイッチレーザーが効果的です。

Qスイッチヤグレーザーであるハリウッドスペクトラでも効果はありますが、Qスイッチルビーレーザーの方が威力が強くより効果的です。ただ、ルビーレーザーの方がダウンタイムも長くなりますので、どちらで治療していくかは患者様の生活状況もふまえて、相談して決めていきます。

肝斑と合併して生じることも多く、その場合はレーザー治療で肝斑部位が悪化してしまうため、先に飲み薬や塗り薬が必要になることもあります。

 

太田母斑(おおたぼはん)

生まれて6ヶ月以内に顔に生じる青アザです。

メラノサイトの増殖によって生じますが、真皮の部分にメラニンが増えるため、青色に見えるのが特徴です。

アザの色味は年齢とともに濃くなることもあり、自然と消えることはありません。

多くは片側性に生じ、額や目の周辺、頬、鼻などが好発部位となりますが、時に結膜(目の中の白い部分)にも青黒い斑が生じることがあります。

 

治療法

眼球内は治療ができませんが、顔の皮膚にできた太田母斑はレーザーで治療をすることができます。

太田母斑は保険適応でのレーザー治療が可能です。

ただ、太田母斑はいわゆるシミとは違って深い部分にメラニンがあるため1回の照射できれいになることは難しく、平均して3回以上の照射が必要になることが多いです。(太田母斑は保険適応で治療できる回数は上限か決まっており、同一部位の病変に対して計5回までです。)

照射をしてから最低でも3ヶ月以上は期間を空けて経過をみて、色が残っている場合にはレーザーの再照射を検討します。

また起こり得る副作用として、頻度はまれですが軽い色素沈着や色素脱出が挙げられます。

 

扁平母斑(へんぺいぼはん)

生まれつき、もしくは生まれて少ししてからできてくる茶アザの1種です。

境界線がはっきりしている茶色のアザで、あらゆる部位に発生する可能性があります。大きさや形状も様々です。

薄茶色の扁平母斑はカフェオレ斑と呼ばれることもあり、カフェオレ斑が多発する(6個以上ある)場合は神経線維腫症という遺伝性の疾患も考えなければなりません。

表皮に存在するメラノサイトがメラニンを多く作り出すことによって生じます。そのため、紫外線を浴びると扁平母斑の色が濃くなることもあります。

 

治療法

扁平母斑にはQスイッチルビーレーザーを用いたレーザー治療が保険適応となっています。(扁平母斑に対して保険適応で治療できる回数は上限が決まっており、同一部位に対して初回治療を含めて2回までとなります)

ただ、扁平母斑は再発率がとても高く、疼痛を伴うレーザー治療を行ってもまた同じように色が戻ってきてしまうことも多々あります。

保険適応で治療ができる回数が決まっていることと、再発率が高いことも考え、レーザー治療をするタイミングはよく相談して決めていく必要があります。

レーザー治療をしても再発してしまった場合は、根治を目指す方法として手術療法も選択肢となります。

 

当院では、Qスイッチヤグレーザー、Qスイッチルビーレーザー、トラネキサム酸内服、ビタミンCサプリ、トラネキサム酸の美容液、トレチノイン、ハイドロキノンなどシミに対する治療を多数取りそろえております。

患者様のお肌のお悩みである「シミ」を、視診だけでなく肌診断機NeoVoirⅠPlusでの撮影により可視化して見ることで、より正確な診断を行い、その人にあわせたオーダーメイドの治療が可能となります。

気になる「シミ」がある方、一度カウンセリングを受けることをお勧めいたします。

ぜひ当院までお越しください。

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