水虫・爪水虫(みずむし・つめみずむし)とは
水虫は、「白癬菌(はくせんきん)」というカビ(真菌)が皮膚に感染して起こる病気です。主に足の指の間・足の裏・かかとに多く見られます。爪に感染した場合は「爪水虫(爪白癬)」と呼ばれ、爪が白く濁ったり、厚くなったり、もろくなったりします。
水虫はかゆみや皮むけ、ひび割れ、水ぶくれなどの症状を起こしますが、まったくかゆみがないタイプもあるため、気づかずに放置してしまうこともあります。治療には時間がかかることも多いため、早期の診断と根気強い治療が大切です。
原因
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原因は白癬菌という真菌(カビ)です。
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高温多湿の環境を好み、以下のような状況で感染・増殖しやすくなります:
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長時間靴を履いて蒸れている状態
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汗をかきやすい足
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他人との共用スリッパ、バスマット、シャワー室など
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家族内での感染も多いため、注意が必要です。
症状
足の水虫(足白癬)
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趾間型(しかんがた):指の間がふやけて白くなったり、皮がむけてジュクジュクする
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小水疱型(しょうすいほうがた):足の裏に小さな水ぶくれができてかゆい
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角質増殖型(かくしつぞうしょくがた):足の裏の角質が厚くなり、かかとなどがガサガサ・ひび割れる
爪水虫(爪白癬)
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爪が白く濁る、黄ばんで厚くなる、もろく崩れるなどの変化
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痛みやかゆみはほとんどありませんが、放っておくと周囲の爪や皮膚に広がります
診断
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肉眼だけでは湿疹やかぶれなど他の病気との区別がつきにくいため、確定診断には皮膚や爪の一部を顕微鏡で調べて白癬菌がいるか確認します(KOH検査)。
治療
外用薬(塗り薬)
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軽度の水虫(足白癬)には抗真菌薬の塗り薬を使います。
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薬を塗る範囲は「見えている部分より広めに」塗るのがコツです。
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見た目が治ってもしばらく塗り続ける必要があります(通常4週間以上)。
内服薬(飲み薬)
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爪水虫や、角質の厚いタイプの足水虫には飲み薬が必要です。
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内服抗真菌薬(テルビナフィン、イトラコナゾール、ホスラブコナゾールなど)を使って、数ヶ月かけて治療します。
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肝機能が悪化することがあるので、肝機能をチェックしながら治療を進める必要があります。
日常生活での注意点
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足は毎日しっかり洗って、よく乾かす(特に指の間)
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通気性の良い靴・靴下を選び、毎日履き替える
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風呂場のスリッパやマットなどは家族で共用しない、または清潔に保つ
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爪切りは家族と分けて使用し、使った後は清潔に
医療機関を受診すべきタイミング
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足や爪に異変があるが、かゆみがないため様子を見ている
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かかとのガサガサが治らず、市販薬が効かない
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爪の色・厚さに変化があり、他の爪にも広がってきた
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高齢で足の皮膚トラブルが増えている
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糖尿病などの持病があり、足の感染が心配な場合
まとめ
水虫や爪水虫はよくある皮膚の感染症ですが、放置すると長引いたり、周囲にうつしてしまうこともあります。一見すると皮膚の乾燥や湿疹に見えることもあるため、気になる症状があれば早めに医療機関で検査・治療を行うことが大切です。根気よく続けることで、しっかり治すことができます。