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頭のフケ・かゆみとは
頭のフケやかゆみは、頭皮の乾燥や皮膚の炎症、または皮脂の分泌過多などが原因で生じる症状です。フケは、頭皮の細胞が正常にターンオーバー(生まれ変わり)を行う過程で、古い角質が剥がれ落ちることから生じますが、何らかの原因でそのターンオーバーが異常をきたすと、フケが過剰に発生します。かゆみも、頭皮の乾燥や炎症、皮脂の過剰分泌、さらには真菌(カビ)感染などによって引き起こされることがあります。
フケやかゆみは、特に乾燥する季節に多く見られ、また、ストレスや生活習慣の乱れが影響を与えることもあります。
原因
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乾燥した頭皮:乾燥が原因で頭皮のかゆみやフケが生じることがあります。乾燥すると、頭皮がかゆくなり、皮膚が剥がれてフケが出やすくなります。
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皮脂分泌の過剰:皮脂が過剰に分泌されると、頭皮がべたつきやすく、フケが出やすくなります。皮脂が毛穴を詰まらせ、炎症を引き起こすことがあります。皮脂分泌過剰により起こる皮膚炎を脂漏性皮膚炎と呼びます。皮脂分泌が多い部位に炎症が生じ、赤みやかゆみ、フケを引き起こす皮膚の疾患です。頭皮や顔、耳周りに発症することが多いです。
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真菌感染(フケの原因となるカビ):特に「マラセチア菌」などの真菌が原因で、かゆみやフケが発生することがあります。この菌は皮脂を餌にして増殖し、頭皮の炎症を引き起こします。
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アレルギー反応:シャンプーやヘアケア製品に含まれる成分に対するアレルギー反応が、頭皮のかゆみやフケを引き起こすことがあります。
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ストレス:ストレスが影響して、ホルモンバランスが乱れ、皮脂の分泌が過剰になることがあります。また、ストレスが原因で皮膚の免疫力が低下し、炎症や感染症を引き起こすこともあります。
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生活習慣:不規則な食生活や睡眠不足も、頭皮の状態に影響を与え、フケやかゆみを引き起こすことがあります。
治療
外用治療
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抗真菌薬:真菌感染が原因の場合、抗真菌のローションなどを使うことがあります。これにより、頭皮のかゆみやフケの原因となるカビを抑えることができます。一般的な抗真菌薬には、「ケトコナゾール」や「ミコナゾール」などがあります。
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ステロイド外用薬:脂漏性皮膚炎などの炎症が原因でかゆみがひどくなる場合、ステロイド外用薬を使用して炎症を抑えることがあります。炎症を抑え、かゆみを軽減しますが、長期間の使用には注意が必要です。
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保湿剤:乾燥が原因の場合、保湿剤を使うことで頭皮を潤し、乾燥を防ぐことができます。特に乾燥がひどい場合は、頭皮用の保湿剤を使って改善を図ります。
- ビタミンCヘアトニック:ビタミンCには抗炎症効果があり、赤み、かゆみを抑えるのに効果的です。保険適応はなく、自費となります。
シャンプー
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抗フケシャンプー:市販の抗フケシャンプーを使用することで、頭皮のフケやかゆみを抑えることができます。これらのシャンプーは、抗真菌作用や皮脂抑制作用があり、頭皮環境を整える効果があります。
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低刺激シャンプー:頭皮のかゆみがアレルギー反応によるものである場合、低刺激性のシャンプーを使用することで改善が期待できます。成分に敏感な場合、無添加やオーガニック成分のシャンプーを選ぶと良いでしょう。
内服治療
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抗ヒスタミン薬:かゆみが強い場合には、抗ヒスタミン薬を内服してかゆみを軽減することがあります。これにより、アレルギー反応を抑えることができます。
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ビタミンB群:皮膚や頭皮の健康をサポートするために、ビタミンB群が含まれるサプリメントを摂取することがあります。特にビタミンB2やB6は皮膚の健康に重要です。
予防と日常ケア
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頭皮の清潔を保つ:シャンプーを適切に行い、頭皮を清潔に保つことが重要です。頭皮に汚れや皮脂が溜まると、フケやかゆみが引き起こされやすくなります。適度な頻度でシャンプーを行いましょう。
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髪の毛をよく乾かす:シャンプー後、髪の毛を十分に乾かさずに寝ると、湿気が原因で頭皮にカビが発生しやすくなります。ドライヤーで髪を乾かすことが大切です。
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ストレス管理:ストレスが頭皮のかゆみやフケを悪化させることがあるため、リラクゼーション法や趣味を通じてストレスを軽減することが有効です。
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適切な食生活:皮脂の分泌が過剰になる原因の一つに食生活があります。脂っこい食べ物や糖分の摂りすぎを避け、バランスの取れた食事を心掛けましょう。
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生活習慣の改善:規則正しい生活を送り、十分な睡眠をとることが、皮膚や頭皮の健康に良い影響を与えます。
医療機関を受診すべきケース
以下の場合は、医師に相談することが必要です。
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フケやかゆみがひどくなる、または長期間続く
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頭皮に赤みや炎症、膿が見られる
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自分でのケアや市販薬では改善が見られない
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かゆみが全身に広がる、または他の症状を伴う場合
予後
頭のフケやかゆみは、原因を特定し、適切な治療を行うことで改善が期待できます。しかし、生活習慣やストレス、頭皮のケアに気を配ることが長期的な予防につながります。適切なシャンプーや治療を行い、頭皮を健康な状態に保つことが大切です。