こだわりの治療
皮膚科における手術とは?
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皮膚科では、皮膚のできものや皮膚の下にできたできものなどに対して、局所麻酔下で行う小手術を行っています。
多くの場合、日帰りで受けられる安全な処置で、傷跡や機能面にも配慮しながら行います。
対象となる病変は、良性の腫瘍(粉瘤やほくろなど)から、皮膚の悪性腫瘍(基底細胞癌や有棘細胞癌など)まで幅広く、診断と治療の両方を目的として手術を行うことがあります。
「これって切らないといけないの?」「傷あとが心配…」という方も、事前にしっかりご説明し、納得いただいた上で行いますのでご安心ください。
手術の対象となる主な疾患
皮膚科で手術を行うことが多い病気・できものは以下の通りです。
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粉瘤(アテローム):皮膚の下に袋状に角質物(アカ)がたまってしまうできもの。感染して痛みを伴うこともあります
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脂肪腫:脂肪が異常に増殖してしまってできる、やわらかい良性のしこり
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色素性母斑(ほくろ):母斑細胞という細胞が異常に増殖してしまってできるできもの。黒いものだけでなく、肌色のものなどもあります
- 悪性腫瘍(基底細胞癌、有棘細胞癌、悪性黒色腫など):いわゆる皮膚の癌。異常に細胞が増殖してしまい、とめどなく大きくなってしまうもの。種類によっては転移し命に関わる可能性もあり、正確な診断と治療が必要です
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陥入爪(巻き爪):強い痛みを伴っている場合、手術で爪を抜いたり切ったりする手術を行うことがあります
その他、軟性線維腫や皮膚線維腫、エクリン汗孔腫など様々な皮膚腫瘍がありますが、大きさや形を見極め、少しでも傷跡がきれいに治るように術式を検討し、行います。
また、手術の前に診断を確定させるため、皮膚生検という検査をすることがあります。
皮膚生検とは病変の診断目的で組織の一部を切り取る検査のことで、3mmほどの大きさで皮膚を切り取り行います。
悪性か良性か判断する材料になる他、原因不明の皮膚の症状の原因を調べることにも役立ちます。
悪性腫瘍が疑われる場合、悪性であれば広めに切除する必要があるため、事前にこの皮膚生検をしてから手術に臨むことが多くなります。
手術の流れ
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手術希望の部位を診察し、術式を検討します。(必要に応じてダーモスコピーや超音波検査を併用)
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手術の説明をし、同意書を記載いただきます。(リスク・費用・術後ケアなどを丁寧に説明)
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局所麻酔を行い、痛くないことを確認した上で腫瘍を切除します。
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必要な場合は止血をした上で縫合を行います。
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術後の処置の仕方を説明し、ガーゼなどで保護し手術は終了です。
- 当日から抗生剤の内服と、必要な場合痛み止めの内服を行います。
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1週間後に再診し、抜糸や結果説明を行います。
特徴(メリット)
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日帰りで可能なケースが多く、身体への負担が少ない
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局所麻酔で行うため、手術中の痛みがほとんどない
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傷あとが目立ちにくいよう丁寧な縫合と術後ケアを実施
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組織を検査にまわすことで正確な診断が可能
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癌などの重大な病気の早期発見・早期治療につながる
術後の注意点
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術後に感染が起こらないよう、傷口は毎日きれいに洗い、指示されたとおりの処置をしましょう
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創部からの出血を防ぐため、激しい運動や飲酒は数日間控えましょう
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赤み・腫れ・痛みが強い場合は早めに受診をしましょう
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抜糸は傷がきれいに治るよう、テープなどを使って傷口を保護し日焼け止めも使用しましょう
よくあるご質問(Q&A)
Q. 手術は痛いですか?
→ 手術は局所麻酔で行うため、痛みはほとんどありません。麻酔の注射が少しチクっとする程度です。
Q. 入院は必要ですか?
→ いいえ、基本的にすべて日帰りで行います。手術後もすぐにご帰宅いただけます。
Q. 傷あとは残りますか?
→ できるだけ目立たないように縫合し、術後もケア方法を丁寧にご案内します。体質や部位によっては色素沈着や瘢痕が残ることもありますが、改善のためのアフターケアも行います。
Q. 保険は使えますか?
→ はい。腫瘍の切除を行う際の手術は保険適用となります。自由診療との違いや費用についても事前にご説明します。
まとめ
皮膚科で行う手術は、見た目が気になる良性の腫瘍から、早期の皮膚癌の治療まで幅広く対応しています。日帰り・局所麻酔で行えるため、身体への負担も少なく安心です。